AIは想像より早く形になる
数年前であれば、AI機能を作ること自体が大きなハードルでした。
しかし現在は、OpenAI、Anthropic、Google、その他各種AI APIの進化によって、AI機能そのものは比較的短期間で実装できるようになっています。
例えば、
- 要約
- 分類
- チャット
- 文章生成
- 差分分析
といった機能であれば、数日で動くものを作ることも珍しくありません。
実際、DIFFsenseのAI差分比較も初期段階では短期間で形になりました。
本当に時間がかかるのは認証
多くのサービスで最初に苦労するのは認証です。
例えば、
- メール認証
- パスワードリセット
- Googleログイン
- 権限管理
などです。
利用者から見ると地味な機能です。
しかし、ここが壊れるとサービスそのものが成立しません。
AIは動いていても、ログインできなければ誰も使えません。
決済はさらに難しい
決済も非常に重要です。
利用者からすると、ボタンを押して支払うだけです。
しかし裏側では、
- 課金
- 解約
- プラン変更
- 日割り計算
- 重複決済防止
など多く処理が存在します。
AI要約機能を作るより、決済まわりの方が神経を使うこともあります。
運営を始めると別の問題が出てくる
さらに難しいのは運営です。
リリース前には見えなかった問題が次々に出てきます。
例えば、
- 想定外のファイル
- 大量アクセス
- エラーパターン
- ユーザーの誤操作
などです。
開発中は問題なく動いていたのに、公開した瞬間に新しい課題が見つかることも珍しくありません。
UI・UXの改善は終わらない
AI開発というと、モデル性能に注目されがちです。
しかし実際は、利用者が理解できる形で届ける方が難しいことがあります。
どれだけ優秀なAIでも、使い方が分からなければ利用されません。
私たちも、ボタンの配置や文言の変更だけで利用率が変わる場面を何度も経験しています。
AI開発は「AI以外」がサービスを支えている
ユーザーが見ているのはAIだけではありません。
ログインできる、保存できる、支払える、安定して動く、こうした土台があって初めてAI機能が価値を発揮します。
実際には、AI部分はサービス全体の一部でしかありません。
自社サービスを運営して分かったこと
私たちはDIFFsenseやその他のサービスを自社で運営しています。
その中で感じるのは、AI機能の改善よりも、サービス全体の体験改善に時間を使うことの方が多いということです。
利用者が本当に求めているのは、高性能なAIそのものではなく、課題が解決されることだからです。
AI時代だからこそ重要なこと
AIによって開発スピードは大きく向上しました。
しかし、だからこそ差が出るのはAI以外の部分です。
- 認証
- 決済
- セキュリティ
- 運用
- UI・UX
これらを含めて設計できるかどうかが、サービスの成否を左右します。
おわりに
AI開発で一番時間がかかったのはAIではありませんでした。
本当に難しいのは、AIを利用者に届ける仕組みを作ることです。
AIが進化するほど、サービス全体の設計や運営の重要性はむしろ高まっていくのかもしれません。