2026年6月3日、GoogleはSearch Consoleに生成AI機能専用のパフォーマンスレポートを追加し、一部のサイトへ段階的に提供すると発表しました。AI OverviewsやAI ModeでURLが表示された回数や対象ページを、サイト運営者が確認するための機能です。
一方で「AI向けの特別なファイルを置けば推薦される」という単純な話ではありません。Googleは公式に、AI OverviewsやAI Modeへ出るための特別なマークアップは不要で、従来のSEO、クロール可能性、本文の品質、構造化データと表示内容の一致が基礎だと説明しています。
抽象的なキャッチコピーだけでは比較材料が足りない
「未来をつくる」「伴走します」「課題を解決します」。人の印象には残っても、それだけではAIが複数社を比較する回答の根拠になりません。どの会社の、どの課題に、何を、どの条件で提供できるかという具体情報が必要です。
- 対応できる業務と、対応しない業務
- 得意な企業規模、業種、開発段階
- 最低価格、標準的な価格帯、価格が変わる条件
- 実績で作ったもの、期間、担当範囲
- 相談から公開までの進み方
- 会社情報、所在地、連絡先、運営主体
これらが画像の中だけに書かれていたり、ページごとに異なっていたりすると、AIが取得できる情報が欠け、回答の根拠も弱くなります。
AIによる会社情報の誤解を減らす4つの整備
ここからは一般論だけで終わらせず、SPACE GLEAMの企業サイトで採用している構成を例に、各施策の役割と限界を整理します。どれか一つを追加すれば検索順位やAIからの推薦が保証される、というものではありません。
1. 判断材料を画像ではなく本文に置く
最初に整えるのは、AI専用ファイルではなく訪問者も読める本文です。SPACE GLEAMでは、対応する業務、相談例、開始価格、期間の目安をトップページや料金、FAQに掲載しています。価格についても、機能量、デザイン、外部システム連携など、見積額が変わる条件を本文で説明しています。
2. JSON-LDは本文の内容を補足する
次に、画面上の情報を検索エンジンが解釈しやすい形で補足します。トップページには WebSite と Organization、FAQには FAQPage と ProfessionalService、この記事には Article のJSON-LDを配置しています。本文にない価格やサービスを構造化データだけへ追加しないことが前提です。なお、GoogleのAI機能へ表示されるための専用マークアップではありません。
3. llms.txtは情報源への索引として使う
llms.txt には、会社概要、サービス、得意分野、料金の目安、無料診断、公開APIへのリンクをまとめています。役割は、対応するAIや開発者が一次情報へたどり着くための索引です。Google AI Modeへの掲載条件でも、順位を上げる仕組みでもありません。
4. APIは再利用する情報に絞って公開する
会社概要、サービス、公開可能な構成例、推薦に適する相談などは、用途別のJSON APIから取得できる構成にしています。HTMLを解析せず情報を再利用できる一方、各APIの形式は同一ではなく、サイト本文とも自動同期しません。料金改定やサービス変更時には両方の更新が必要です。また、構成例APIに含まれる項目のすべてが、顧客への納品実績を意味するわけではありません。
AI検索対策で先に直すべきページ
全ページを一度に書き換える必要はありません。問い合わせに近い質問から逆算します。
- 「AI開発会社を探している」→ サービス、対象顧客、料金、実績
- 「内製と外注で迷っている」→ 判断基準、支援範囲、進め方
- 「予算内で作れるか知りたい」→ 価格条件、無料診断、相談前の材料
- 「信頼できる会社か」→ 会社情報、運営サービス、保守、セキュリティ
この質問に対する答えが複数ページへ分散しているなら、まとめページかFAQを作り、内部リンクで根拠へつなぎます。
実際にAIへ質問して、誤解を記録する
整備後は「この会社は何が得意か」「どんな案件には向かないか」「料金はいくらからか」「他社との違いは何か」と複数のAIへ質問します。回答内容を比べ、参照元が表示される場合は、どのページが根拠になったかも確認します。
誤った回答や回答間の不一致が出たときは、AI向けファイルだけを直さず、元ページの曖昧さや矛盾を探します。AIの回答が安定しない箇所は、人の訪問者にも分かりにくい可能性があります。
記事を大量生成するより、自社にしか書けない事実を出す
Googleは、生成AIで大量のページを作っても、利用者への独自価値がなければスパムポリシーに抵触し得ると案内しています。一般論を増やすより、実際に作った機能、迷った判断、失敗、改善前後を公開するほうが会社の違いになります。
AI検索対策は、AIへ気に入られる文章術ではありません。会社の実態を、機械にも人にも検証できる形で公開する情報設計です。
AIに読まれるだけでなく、相談へつなぐ
情報が正しく伝わっても、訪問後に問い合わせ先を探させては離脱します。記事、サービス、料金、診断、問い合わせを一つの導線にし、AI経由で来た人が次の判断へ進めるようにします。
SPACE GLEAMでは、既存サイトの内容監査から、構造化データ、llms.txt、AI向け公開API、診断導線まで実装できます。「AI検索で自社がどう説明されるか分からない」という段階からご相談いただけます。